サラリーマンSEが綴る、人生に投資する日記

少しでも人生をより良くするために実践したことを綴ります。

価格と儲けのカラクリpart1

今ある世の中の商品が昔から残っているのには、きちんと理由があります。当たり前のように僕たちが使っている商品がどうして存在し続けてるのか、気になったので読んでみました。

今ある商品が残っているのは当然ですが、商品を買ってもらっていて、儲けているからです。ではなぜ儲けているのか、それは原価を見ることである程度分かります。本書は業界や商品の原価を知ることで、儲けてる仕組みを理解できます。

特に印象に残った所を引用して紹介したいと思います。

 

▼外食産業

一つ目の特徴として、儲けを出す為に徹底したコスト削減によって、利益を出すのが外食産業の特徴です。第一に、安い輸入食品を、日本の最高水準の食品加工技術により、美味しくする工夫を凝らすことによって、安い価格で満足できるものを提供することが可能となってます。第二に、人件費を限界まで削り原価(人件費)を下げることで、利益を確保しているのです。 

・事例

ナポリタン

販売価格460円、原価140円、原価率30%

ラーメン

販売価格680円、原価200円、原価率29%

回転ずし

販売価格100~130円、原価20~50円、原価率40%

 

もう一つの特徴としては、看板メニューではなく、サイドメニューで利益を得ているという特徴があります。回転ずしやハンバーガー店の主要商品は原価が40%と高く、あまり儲けがでないのです。ではなぜ、回転ずしやハンバーガー店は業績を伸ばすことが出来ているのでしょうか。回転ずしではラーメンやポテト、唐揚げ、デザートなどの豊富なサイドメニューを多く見かけると思います。又、ハンバーガー店もドリンクやデザートなど、これまたサイドメニューが豊富にあると思いませんか。これらの原価率は、実はそれほど高くないのです。回転ずしの寿司、ハンバーガ店のハンバーガーなどの看板メニューは客寄せであり、サイドメニューによって利益を得ているです。

・事例

照り焼きバーガー

販売価格280円、原価82円、原価率27.7%

コーヒーM

販売価格143円、原価5円、原価率3.5%

ハンバーガーセット

販売価格447円、原価90円、原価率20.1%

 

▼冷凍食品

よくスーパーでタイムセール半額というのを目にしたことはあると思います。賞味期限が近付いているからなのかと思っていたのですが、そうではないのです。

実は半額でも十分に利益を確保できているから、頻繁にタイムセールを実施できているのです。通常価格は利益率でいうと65%もの価格設定をして、売れたらラッキーという価格設定で販売しています。そんな時に、半額で売られているのを見たらどう思いますか。人間の心理的に、最初の値段よりもだいぶ安いという、心理学でいう「アンカリング効果」によって、私たちはお得と感じて買ってしまうのです。

 

▼生命保険

保険料の内訳は、純保険料(将来の保険金の支払いに充当:原価)+付加保険料(保険会社のコスト)があります。民間の保険会社が占める割合は、付加保険料が大きいことで知られています。つまり、原価のほうが安いのです。加入者が保険会社のコストを負担し、保険会社が粗利が大きくなるので、儲けているのです。

しかも、意外にも不払いの問題も多いのが現状です。三大疾病の脳卒中で倒れたら、当然保障されると思うでしょう。そのためにわざわざ高い金を払い続けているのですから。しかし免責事項として、細かい条件があり、保証対象外で不払いが起き、裁判沙汰も未だにあるそうです。

考えてみたら、民間の保険会社なので、当然利益を追求しています。加入者とは「利益相反」の関係にある限り、矛盾が生じるのは当たり前といえば当たり前なのです。

近年はネット生命が台頭し、ますます大手の生命会社は苦戦を強いられるでしょう。いかにぼったくりの商品を扱っていたのかが、下記事例を見れば明らかなのですから。

・事例

30代男の死亡保険

〇死亡保険金額:3000万

〇保険期間:10年

〇特約なし

 

●大手生命保険

 月額保険料:7000円 

 内訳:純保険料35.2%、付加保険料64.8%

ネット生命

 月額保険料:3200円

 内訳:純保険料77.0%、付加保険料23.0%

 

 ▼百貨店

百貨店のビジネスモデルは、テナント企業に場所を貸し、販売員や什器も含めて売場を作らせ、売れた分だけを仕入れたことにして歩合を得るというものです。

つまり、百貨店は自前で商品を売るよりも、テナントに売らせたほうがコストもかからず儲かることから、「消化仕入れ方式」でやってきました。

事例

スーツ3万

配分:百貨店35%、テナント45.5%、仕入れ原価19.5%

 

「消化仕入れ方式」では、テナントの売り上げに依存し、売り上げが低ければ旨味がありません。近年では、テナントの売り上げではなく、「家賃方式」に転換を図りました。なぜならば、テナントに定額の「家賃」≒「場所代」を支払わせるほうが、安定した収入になるからです。百貨店がショッピングモール化する所以です。