予想通り不合理その2
五章 無料のクッキーの力
社会規範内で、やりとりに金銭が絡まないとき、私たちはあまり利己追求せず、他者の幸福をもっと気にし始めるのである。
下記にその事例を述べる。
●提供を受ける場合
雑用を手伝ってもらいたい時に、無償であれば心良く引き受けてもらえたのに対し、お小遣い程度の報酬を提示した場合、自分の時間を割くに値しないと感じ引き受けてもらえなかった。
●提供を与える場合
・無料のクッキーと数円のクッキーを購買で配布した際、無料のクッキーの方が持っていった個数が少なかった。
提供を受けた場合について、金銭が発生しない頼みごとは、社会規範内のなかであり、良心に基づき心良く引き受けてくれたであろう。しかし、金銭を持ち込んだことで市場規範が働き、価値の無い仕事と捉えられ、断られる結果となるのも理解ができる。
提供を与える場合について、無料であれば持てるだけ持とうとはならず、自制の心が働き、値段がゼロで魅力的になるものの、同時に他人のことを考えたりするようになり、他の人の利益のために自分の欲望を犠牲にするようになる。
したがって、値段を持ち出さないことが社会規範をもたらし、社会規範があることで、私たちは他者のことをもっと気にかけるようになる。
六章 性的興奮の力
性的に興奮していない時と興奮している時では、性に関する回答に大きな変化をもたらした。これは誰もがジキルとハイドのように、人には異なる二面性が存在することを意味している。感情がどのように私たちの行動を支配するかを甘く見てしまうのである。
七章 先延ばしの問題と自制心
八章 高価な所有意識
九章 扉を開けておく
十章 予測の効果
十一章 価格の力
十二章 不信の輪
十三章 わたしたちの品性についてその一
十四章 わたしたちの品性についてその二
十五章 ビールと無料のランチ